完全に予防接種を受けた人の新型コロナウイルス保護機能が低下していることが英国の研究で判明

新型コロナウイルスの効果が下がっている?

アストラゼネカ社とファイザー社のワクチンの両方を接種した人の間で、コロナウイルスに対する防御力が低下していることが、英国の新しい研究で明らかになりました。

ファイザー社の場合

英国のZOE新型コロナウイルスアプリの研究で、ファイザー・バイオンテック社のワクチンを2回とも接種した40万人以上を対象とした分析によると、2回とも接種してから1ヶ月後にはコロナウイルスに対する防御効果が88%に達していました。しかし、その効果は、ファイザー社のワクチンを2回とも接種してから5~6カ月後には74%に低下しました。

アストラゼネカ社の場合

同じ研究で、オックスフォード・アストラゼネカ社のワクチンを2回とも接種した70万人以上の人を分析したところ、その効果は1ヶ月後の77%から4~5ヶ月後の67%に低下しました。

ZOE新型コロナウイルスアプリの研究を進めているティム・スペクター氏によると、データを収集したのはデルタ株が優勢になった5月26日以降。

キングス・カレッジ・ロンドンの遺伝疫学教授であるスペクター氏は、火曜日のウェビナーで今回の最新データを発表し、今回の調査結果では、月齢が進むにつれて、これらの両ワクチンによる保護の効果が「減少する」ことが示されたと述べました。

火曜日に更新された政府のデータによると、英国では約4200万人(16歳以上の人口の77%)が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を受けています。毎日のデータによると、火曜日には30,838人の新型コロナウイルスの感染が記録され、174人がウイルスの陽性反応が出てから28日以内に死亡しています。

それでもなお50%以上の高い効果を維持

キングス・カレッジ・ロンドンのイメージング・神経科学教授であるアレクサンダー・ハマーズ氏は、ウェビナーの中で、他のコロナウイルスでは、この病気に対する免疫が生涯続くことはないということがすでにわかっていると述べています。

「このように、ある程度の横ばいが予想されていましたが、私の見方では、横ばいのスピードは予想よりも少し遅いようです。」

また、今回のデータでは、時間の経過とともにワクチンの効果が「弱まっている」ことが示されていますが、ハマーズ氏は、「少なくとも50%は守られている」と述べています。

「ワクチンが開発された当初は、60~70%の有効性が期待されていましたが、80%以上、時には90%以上の有効性が得られたことで、皆が嬉しい驚きを感じたことを覚えています」と付け加えました。

不安の影を落とすイスラエルのデータ

とはいえ、スペクター氏は、世界で最も早くワクチン接種が行われ、英国よりも先行しているイスラエルからのコロナウイルスのデータには「少し心配」と述べています。

同氏は、イスラエルでは国民の多くがワクチンを接種しているにもかかわらず、コロナウイルスによる入院や死亡が増え始めていると指摘。

7月にイスラエルで発表されたデータによると、1月に2回接種した人の症状のある感染に対するファイザー社のワクチンの効果はわずか16%でした。

しかし、各国の予防接種プログラムの内容の違いや、調査時期、年齢層、新型コロナウイルス検査の体制などの違いから、結果を比較することは困難です。

米国疾病管理予防センターが火曜日に発表した2つの研究では、完全にワクチンを接種した人の間で新型コロナウイルスに対する免疫力が低下していることが示されており、そのうちの1つは第一線で働く人に焦点を当てたものでした。

ブースター接種に期待が集まる

ZOE新型コロナウイルス研究のウェビナーでは、ワクチンの効果が薄れていくことで、将来的に新型コロナウイルスワクチンのブースター注射の必要性が高まるかどうかについても議論されました。スペクター氏は、イスラエルではすでにブースター接種の計画が始まっていることを指摘しました。

新型コロナウイルスワクチンのブースター試験に取り組んでいる、ロンドンのガイズ・アンド・セント・トーマスNHS基金の感染症・一般医学コンサルタント、アンナ・グッドマン氏は、「いずれブースター接種が必要になるでしょうが、その時は世界中の人がワクチンを接種した後にしたいですね」と想像しています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です